2011年9月17日土曜日

「みんなの党」の「みんな」って、誰の事なの ?

悪い冗談だと思った。

幸之助氏なら「総理を辞めたまえ」…増税批判 - ナベツネ onLine
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110916-OYT1T00992.htm

「松下政経塾出身と言ってほしくない。塾中退と言うべきだ」

みんなの党の江口克彦参院議員は16日の参院本会議代表質問で、パナソニック創業者の松下幸之助氏が創設した松下政経塾1期生の野田首相に対し、松下氏の教えを引きながら批判を展開した。
松下氏の秘書を務め、首相の入塾時の面接官でもあった江口氏は、無税国家論を唱えたこともある松下氏が「政治家の使命は、いかに税金を低く抑えるかにある」と主張していたことを紹介。「松下さんの考えを理解しているなら、増税を簡単に口にできない。松下さんなら『野田君、総理を辞めたまえ』と言っているのではないか」と、増税を含む財政再建に意欲を示す首相を批判した。
これに対し、首相は「久しぶりに面談を受ける感じだ」と笑みを見せつつ、「松下さんは私がこの場でとうとうと、師の教えと私の持論を述べることを必ずしも喜ばないと思う。むしろ実行し、実践することを求めている。首相として行動をもって師の心に応えていく」とかわした。

(2011年9月16日22時32分  読売新聞)

消費税増税を目指す野田総理も、同友の「みんなの党」に、こんな風に言われたかないよなぁ。

何でまた、松下幸之助翁が「無税国家論」なんて唱えたのか。当時は「消費税」なんていう、国家にとってウハウハなものは無かったんですな。そして、法人税も今に較べてべらぼうだった。だから、「俺たち法人が儲けたカネを税金という形で取り上げるなんて、何という事だ。国は法人税なんて取るな。東電が悪いというなら、電気を使うなー by 丸山蹴りな」みたいな事で、国家無税論を言っていた。それこそ、政治家になりたがった居酒屋バカ垂れが「経営感覚」などといって政治に乗り出そうとしましたが、松下翁のいう「国家無税論」というのは「既に税金という資金があるのだから、それを使って国家を<経営>し、収益をあげればいいではないか。すれば、税金(この場合は法人税)を徴収せずに済むだろうに」程度の話。無税国家論のいう無税とは、法人税の事だった。

そして、野田総理は、財務省の「消費税増税・法人税減税」路線を突き進もうとしている。それこそまさに、松下翁の言う「無税国家論」への道程に他ならない。それを批判しているのは、そもそもどういう事なのか。また、それを取り上げるナベツネonLineも、どうかしているのか。野田総理が「法人税減税」を明確に打ち出していないからなのか。

一方、消費税増税については、こんな意見もあります。

ちきりんの“社会派”で行こう!:「消費税は低所得者に厳しい」ってウソだと思う (1/3) - IT media
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1109/12/news007.html

とは言っても、この記事は2008年の記事ですから、かなり昔。しかし、今、こうした記事を持ち出してくる辺り、これは孫氏の意見なのか。
執筆者自身がかなり恵まれた方とあって、海外にも色々と知見を伸ばしていて、「これからは税収も多く必要だし、海外では日本よりも大きい税率なんだから、消費税増税って、仕方ないんじゃない」みたいな感じで書いておられます。記事は大変古いためか、色々誤解もあるのか、あるいは、それを知っていて故意に隠しているのか、海外と日本の消費税についての違いを見ていない。イギリスの例では、衣服や書籍、食品は無税というじゃないの。他も大方似たような所で、食い物にまで消費税が適用されているのは、本邦だけなんだとは !
この日本では、食い物にまで消費税が掛かってくる。だから、外食産業は福島「要除染」野菜を安く買い叩いて収益をあげようとする。小さいところでは、200円うどんとかラーメンとかも、価格維持が難しくなったりする。収入の少ない労働者は昼飯の心配までしないとならない。
しかし、上記の話というのは「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」と同様の話なのであって、そりゃーセレブにしてみたらそうでしょうよ。しかし、消費税が増税になると、消費が冷え込むんですよ、単純なハナシ。だから、経済も先細りになってしまう。経営感覚、という事で言うならば、国家というのは「究極のサービス業」なのではないか、とも思えるのですね。まずは利用者がいないと。それで収益も出て来る。所が、収益だ、収益だ、という話になるから、「だったら消費税増税だ」となる。利用者がいなくなる、という目線はないのです。利用者はいて当たり前。だから、収益を増やすには、サービスの料金を上げるだけ。良いサービスを提供するという方向には行かない。これは、昨今の大手メーカーにも言える事です。

「我、貧しきを憂えず、等しからざるを憂う」という言葉は、どこへ行ってしまったのだろうか。



アシャーイ !!!